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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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詩人は
目の前にある 薄っぺらな一枚の紙をじっと眺めていると その原料となった木の その木を育てた雨の その雨を降らせた雲の姿が見えてくるという 底知れぬ深いまなざし 詩人は 太陽が自然にとって測り知れないほどの 恵みをもたらしてくれるように 夜空にきらめく星たちもまた 太陽に負けないぐらいに地球に 数値や現象には表れない恵みを もたらしてくれていることに気づいているという 詩人は 私が今、こうしてこんなふうな性格で こんなふうにものごとを考えて こんな仕事をして こんなふうに暮らしているのは 私が幼い頃 親とけんかして引きこもり よからぬことを 日々 考えていたことに 遠い原因があったのだということを知っている 無限の因果律 詩人は 私がかつて様々な人と出会ってきたこと 様々な出来事に遭遇したこと 病気になったこと 年老いていくこと そして 死ぬこと それら すべてにちゃんと深い意味(わけ)があることを 知っている 私が不可解、理不尽だと思うすべてのことに 詩人は 緻密な理由づけをして すべては しかるべくして そうなったのだと 解き明かしてくれる 風景画になぞらえるなら 凡人の私は たぶん 晴れわたった空なのに 磁石のきかない山あいの 見通しの悪い谷底にいて 右往左往しながら 日々、暮らしているのだ そして 詩人は 気高い山の中腹か八合目あたりにいて ずっと遠くのほうまで さまざまなことがらを見通しながら生きているのだ ~~~~~ ~~~~~~~~ 例えばね もし もう一度 人生を生きなおせるとしてさ 詩人と凡人との人生のカード どちらを取ってもいいと云われたら 私はね 考えあぐねてね そして たぶん 凡人のカードのほうを選ぶのだろうね だって 詩人はさ 鋭くて覚めた眼と そして愛いっぱいの温かい心を もっていそうだけど 凡人のように 心にまかせて 何かを好きになったり 嫌いになったり 失敗したり 後悔したり いやになったり 飽きたりすることなんて なさそうだもの 退屈そうだもの 2006年2月 作成 上記のロゴマークへの クリックをよろしく お願いします
by jyukushian
| 2009-02-01 21:23
| WEB版 熟柿庵だより
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Comments(4)
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今宵の月
at 2009-02-02 11:06
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親孝行のコメントだけで、武田さんは詩人の域に達しているのでは・・・
と感じます。 私にとって親孝行とは、たまに顔を見せること、孫を連れて行くこと程度です。それだけで私は凡人の資格十分だと自覚しています。
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at 2009-02-02 12:56
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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jyukushian at 2009-02-02 14:25
今宵の月さん
私は、親不孝ばかりしてきて、父が死んで10年もたった今頃になって とても心を痛めているのです。いわば鈍感な人間なのです。詩人どころの話ではありません。 親孝行というのが、育ててもらってきたことへの恩と言い換えることができるのなら 私は恩知らずの人間なのです。僧侶の資格すらない。 今宵の月さんへの足元にも及ばない。
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jyukushian at 2009-02-02 14:42
Iさん
実は3年前に私の親友を孤独死で亡くしています。54才でした。 彼がアル症であったかどうかは、今となってはわからないのですが、 おそらくアル症だったのではないかと思えます。 彼とアル症の話をしたことがあります。彼は一人暮らしのせいもあって「万が一アル症だったとしても、断酒するぐらいだったら死んだほうがましだ」と、云ってました。 本人がアル症かどうかを医者に診断してもらうことが先決だと思います。 とても勇気のいることだとは思いますが。
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