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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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前回、「できそこないの男たち」という本を
紹介しましたが、 この本の著者、 福岡伸一という人物にとても興味を覚えました。 彼は確かに分子生物学者ではあるのですが 本を読んでいると ただ単に、生物の起源や仕様について 説明的に語っているのではなく、 その生物の有り方をとおして 何故、生き物はこのように存在して生きているのか そのことの根源的な意味を追いかけているように思えます。 彼はまるで 詩人か、哲学者、あるいは 命の真実に迫ろうとする宗教家のようにも思えたりします。 たとえば 生物にメスがいて、オスがいて それらは、種の保存の為に性交をして 子孫を残すという行為をする。 それをある学者は DNAを代々引き継ぐために生き物は存在するのだと 言った学者がいたけれど そういう考えを 福岡氏は否定する それだったら 子供を産んだら生き物は もう生きている必要はないわけだし それなのに、子供を生んだ後も人間は 何十年も生き続けるのは何故か あるいは 子供を産まない人間は 生きている意味が無いということになってしまう。 それでも、その人は役に立たないという理由で 死に絶えるということはない。 彼は、生き物の仕様は仕様として理解したのち それに対していき方の選択はその個人に任されている 自由な生き方もまたできるのであると語っている。 つまり 人間は、あるいは学者は 生命のほんの一部の真実を理解しただけで 自分勝手な理論で、生命について 結論をだすべきではないと 彼は考えている 人間はある一つの摂理の前で 驚きはする だけど その摂理に対して 人間の浅はかな理由付けをしてはならない もっともっと 生命の神秘に対して謙虚であるべきだという 福岡氏は そのことを、謙虚に、そして 控えめに、淡々と文字に表現している 「できそこないの男たち」のエピローグの最後に 台湾のある島のヤミ族の話が紹介されていた 飛び魚がその民族の象徴になっているというのだ とても印象的な話でした 彼は 分子生物学者という以前に やはり、詩人のような気がする ![]() 上記のロゴマークへの クリックをよろしく お願いします
by jyukushian
| 2009-02-19 19:53
| WEB版 熟柿庵だより
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