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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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現代のアメリカにおける仏教の状況について
割と詳しく書かれていて、いろいろ考えさせられました。 一つは 日本のようにいろんな宗派に分かれているのではなく 超宗派的に横に広がっていて 私は仏教の何宗の信者ですという言い方はあまりしないということ、 これはとても良いことで、 日本でもこの宗派間の壁は無くしていくべきだと思いました。 宗派間の壁が強いのは実はわけがあって、 日本の仏教の場合は家制度を基盤にしていて、 その家族は全員同じ宗派にぞくしていなければならないという伝統が あったからです。 それに その家制度の基盤になっているのが 先祖供養ということと仏教が結びついていることに起因しているのですl アメリカの仏教は明らかに先祖供養ではなく、自らの精神性を問題として 発展しています。 それから アメリカの仏教はとても個人主義的だということです。 時には坐禅したり、時にはチベット仏教の教えを受けたり いろんな仏教に興味をもつのですが、 それらの行なう儀式などにはあえて参加しない 宗教はあくまで個人的なことだとして 儀式といったものに参加することなく 自宅でひとり、瞑想にふけったり 自分なりの仏教観をもって実践している。 これを「ナイトスタンドブッディズム」というらしい。 夜、自室で電気スタンドをつけて 瞑想するところから、付けられた名前だということです。 つまり、宗教を個人が、自分に合っているかとか良いとか悪いとか判断して 仏教を選んでいくというものです。 これは一見とても民主的で 良いスタイルのように思えるのだけれど、 見方によっては 仏教を自分の都合の良いように利用しているとも取れます 仏教が人間の自我意識を越えるところに その一番のポイントがあるのだと考えると その自我意識に基づいて 仏教を選び取っているという事態は 本当に正しい仏教のアプローチになるのか やや心配な気もします。 仏教の教えの中に 三帰依文というのがあります。 これは 仏に帰依します 法に帰依します 僧に帰依します ということです。 その、 僧に帰依しますの僧とは サンガ、つまり仏の教えを学ぶ人たちの集団のことです。 仏教の教えを個人に帰してはだめですよ、という教えです。 そのことと アメリカの仏教の個人主義は相反します。 自我意識とどのように向かい合っていくか そのことがちゃんと位置づけられていれば いろんな仏教の形があって良いと思っています。
by jyukushian
| 2010-08-11 20:17
| WEB版 熟柿庵だより
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