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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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スリナガルからインドの北方、ラダックに向けて
旅立ちました。 バスで二日間の旅です。 荷物は大きなものはみんなバスの屋根に乗っけます ガソリンのラジエーター用の水も積んで さて出発です。 フランスの可愛い女の子がツアーでけっこう乗り込んでいました。 何故か知らないけれど こうした秘教の地へ行く時にはよくフランス人を見かけます。 まるで彼らは本当の旅の醍醐味をしっているかのようです。 バスは 切り立った山あいの細い道を走り続けます。 窓の下を見ると、路肩なんかは見えなくて すぐ下に、かすかに谷底が見えます。 その谷底に時おりバスの残骸が見えます、 おそらく、運転を誤って滑り落ちて、そのままになっているのでしょう。 私たちのバスだっていつ崖から滑り落ちるか、わかったものではありません。 時おり、道路わきの砂利石が崖に転がり落ちていく音が聞こえます 私たちもそれなりに覚悟しなくてはなりません。 一連托生です。 なんとなく、乗客のあいだに連帯感がわいてきます。 途中の風景は 行ったことはないけれど、 お月様の表面のような、荒涼とした なんとも表現のしようのない、緑ひとつ見えない、別世界です 突然、女の子達が騒ぎ始めました。 どうもおしっこをもよおしてきたようです。 取りあえず、バスを止めてくれと 止まったところで、トイレなんかもちろんありません。 彼女たちは動じることなく、女の子たちだけで輪を作り その中に一人ずつしゃがみこんで用を足し始めました。 それ以外に用をたす方法がありません。 バスはどんどん走り続けます。 ようやく 第一日目の宿泊先に到着しました。 と言っても、小さな村。 こんなところに泊るのですか 乗客たちはみんな織りはじめ、 屋根の上に乗せてある荷物をとろうとします それを見ていた私は ほんとに人がいいのですね。 バスの屋根に上って 一つ一つ、他の乗客の荷物をおろしてあげました。 「その荷物、私のです」 「あいよ、わかった、そっと落とすからね、受け取りな」 などといいながら、 みんなの荷物を全部、降ろしてあげました。 なんとやさしい私なんでしょう 最後に自分の荷物を担いで バスの屋根からはしごを伝っておりてきました。 それから さて、宿さがし。 どこのホテルを当たっても もう全部満員; 僕の泊れるホテルはついに見つかりませんでした。 しかたない、 リビングの椅子を向かい合わせにして ベッドをつくり、 そこに寝袋をしいてなんとか横になることができました。 お人よしの結果がこれか。 まあ、仕方ない、 だけど、 そんな私みたいにベッドを取れなかった旅人がもう一人いた 彼も私と同じようにして、椅子でベッドをつくり、 横になった。 彼は、ギリシア人、アタナシオスという名前 なんとなく気が合って 友達になって いろいろ話し合って、 その夜は寝苦しい夜を寝た。 翌日、 彼と一緒の関になって それから、ラダックのレーについても同じホテルに泊ることになって いろいろ、話し合って本当に中の良い友達になれた。 あごに深々と髭を蓄えていて 一見すると、まるでキリストのような風貌をしていた その彼とは 30年経った今でも、手紙や電話で交流している。 いつか日本に呼びたいとおもっています。 来年か、そう遠くない将来。 きっと、再開しようね; ![]()
by jyukushian
| 2010-12-01 00:30
| WEB版 熟柿庵だより
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