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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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僕が時々行く呑み屋さんの女将さんは
僕を見ると必ず、 「私が死んだら住職も一緒に地獄へ連れて行くからね」 と冗談とも本気とも取れない顔でいいます。 女将さんは自分が地獄へ行くことを覚悟しているようです。 だけど 私はできれば行きたくはない。 私は 「女将さんと地獄の手前までは一緒にいきます。だけど、そこで手を離して お別れします。私は地獄へは行きませんから」 と返事します。 この会話、もうルーティン化していて 挨拶代わりのようなものです。 先日、ある本に 地獄に長く居続けると地獄じゃなくなるのです。地獄の生活が長くなるとそれが当たり前になってきて、苦しみを苦しみとも思わなくなってくるからです。 ですから、時々、極楽に連れて行って楽しい生活を味わわなければなりません。 その楽しさを覚えて、そしてまた地獄に戻すと、楽しかったことを覚えているから 地獄の苦しさがより一層苦しくなるのです。 地獄の苦しさを味わわせるためには、楽しかった生活を覚えさせておかなくてはいけないのです。」 そんな話が書いてありました。 確かに、楽しい経験があるから苦しい生活が地獄に感じるのです。 私たちは、地獄と極楽を行き来して人生を送っているのかもしれません。 こんど呑み屋の女将さんに会ったら 「女将さんが地獄に行ったら、ときどきは極楽に連れて行ってあげますね」 と云ってあげることにします。
by jyukushian
| 2011-04-27 16:03
| WEB版 熟柿庵だより
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Comments(4)
何があろうとどんな人であろうと、西へ渡ったら極楽でしょう、あちらへ行くまでが、苦しいですね・・・
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jyukushian at 2011-05-03 10:46
「熟柿庵だより」の最新号に鈴木大拙氏の「人間だけが二度生まれることができる。その可能性をもっている」という文章を引用させていただきました。たぶん、苦しみを味わうことによってしか、その二度目の誕生には出会えないのだろうと思います。そしてまた、二度目の誕生ということに出会えても、それを自覚することができるかどうか、それも難しいですね。
『人間だけが二度生まれる」、なんだかモヤモヤと体に入ってきました。
せつない、どうしようもない私の心の中にスーと入ってきました。
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jyukushian at 2011-05-10 18:51
鈴木大拙氏のそのあとの文章に、
その可能性を可能性だけに留めておくのは 情けないことだ」 というふうに繋がっていきます。 可能性だけに留めて 私たちは人生を終えてくのかもしれません。 私たちは、私として生まれてきたことを喜びたいですね。
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