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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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今、銀行のことで話題になっているキプロス。
金融の事はよくわからないのだけれど、 キプロスを旅した時のことを思い出した。 ずいぶん昔のことだから、現在どうなっているのか分からないけれど 当時、キプロス紛争が終わってまだ間もないころの話。 キプロスは、北部がトルコ共和国の属国のようになっていて、 南部がギリシア系の国に分かれていた。 ニコシアという首都はその両方に分断されていて 町の真ん中を走る道路がゲートで仕切られていた。 トルコ側のゲートとギリシア側のゲートの間に緩衝地帯があって カナダ軍が国連軍として派遣されて訓練をしている最中だった。 ゲートわきの家々には土のうが積まれていて、銃弾の痕跡もまだ生々しく 残っていた。 私は最初、トルコ側に入国して、その後、ギリシア側に入国を試みた。 出国の時、トルコtの黒人の兵隊さんが、 「もし戻ってくることができたら、どんな様子だったか教えてくれ、幸運を祈る」といってくれた。 危険なのだろうか とりあえず、トルコはすんなり出国できた。 緩衝地帯を通り過ぎて、ギリシア側に入り 入国管理事務所を訪れた。 5,6人のギリシア人の軍服を着た人たちが、沈黙で私を迎えてくれた。 「これからこの国を旅行したいのですが、」 「それは、できません。最初にトルコ側に入った人はこちら側にはこれないのです。 「そうですか、それではあきらめて戻ります。」 「ちょっと待ってください。あなたはもうギリシア側に2,3メートルですが、入国したことになります ですから、あなたに入国スタンプをおさなくてはなりません。」 「ふ~ん、なんかよくわからないけど。まあ、そのようにしてください。」 入国スタンプ。 「しかし、あなたは入国できませんから、この場で引き返さなければなりません。 「ええ、わかりました。トルコ側にもどります。」 「それでは、出国スタンプも一緒に押します。いいですね」 「なんか訳分からないですけど、しかたありませんね。」 というわけで、私のパスポートには 15分だけ入国したというスタンプが押されることになってしまった。 ≪今となっては貴重なスタンプ記録だ!!≫ 今問題になっているキプロスの銀行は おそらくギリシア側の銀行のことなのかしら。 それとも、あのニコシアにあったゲートは はずされて、両国の分断は解消されたのだろうか キプロス、素敵な島でした。 ただ、道路を分断していたあの踏切で見かけるような生々しい遮断機だけは なんとも異様な光景でした。 ![]()
by jyukushian
| 2013-03-27 16:07
| WEB版 熟柿庵だより
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