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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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4月26日、熟柿庵において勉強会の特別企画として
Sさんに「腐るお金の経済学」のご講義をしていただきました。 始めての方も何人か参加されて、にぎやかな勉強会になりました。 Sさんには、レジメやプロジェクターもご持参いただいて 1時間以上、熱弁をふるっていただきました。 内容は、これまでにブログで掲載してきましたSさんのレポート をより分かりやすく説明してくださいました。 その中でいくつか気になった点。 産業革命以降、急激に資本主義経済は発展するのですが、 Sさんは、それを推し進める哲学として、 「自己の利益を追求することは肯定される」という 言葉を引用されました。 つまりそれまでの社会においては、社会のつながりを大事にしており、 自分の利益だけを追求するのは恥ずかしいことだとされていた。 つまり、ライブドアで有名になってしまった「ホリエモン」のような存在は 利益追求の典型で、利己的で良くない存在であったが、 産業革命以後、彼のような「金を儲けて何が悪いのだ」という姿勢が 認められるようになったということ。 ここのところは、一つの核心でもあるので、とても気になりました。 自己の財産を増やしたいという考えは、本当に産業革命以後に産れた考えなのか、 それとも、増殖させたいという考えは人間の属性としてありながら、 社会のきずなをもっと大事にするがゆえに、抑制していたものだろうか。 あるいは、蓄積が可能になったがゆえに新たに人間に産れた欲望なのだろうか。 ということです。 本来的に人間にある欲望ならば、産業革命と貨幣はそれに拍車をかけたに過ぎないと 考えることもできると思います。 産業革命以前は、人間はもっと人間的な知恵をもっていて、社会的つながり、 つまり人間は一人では生きられないという知恵を大事にして生きていたということなのでしょうか。 次に、 シルビオ・ゲゼルという経済学者の減価貨幣という考えが紹介されました。 そして、現実にドイツやオーストリアで、この制度を導入して 一時期成功したという話も紹介されました。 お金が時間の経過とともにその価値が落ちていくという制度です。 これは、今までのお金の価値は一定であるという概念を大きく変えるものです。 私が気になったのは、 現状にある貨幣という制度がここまで浸透してきたのは 人間の中に、貨幣を受け入れる感受性のようなものがあったからではないか、 つまり、人間の中に、持続可能な制度として、減価しない貨幣というものが うまくハマったのではないかということです。 逆にいえば、減価する貨幣というのは、とても人工的な匂いがして はたして持続可能な制度なのだろうか。 レジメには、この減価紙幣の制度がもっと広がっていれば ナチスの台頭はなかったのではないかということが書かれていましたが、 それは、はたしてどうか。 あまりに人工的な制度は持続可能性が問題となります。 一つの目標達成のために、たとえば当時でいえば、 失業を減らすという目標がちゃんとあったから、一時期といえど この人工的な制度は成功したのではなかともおもったりするのです。 あまりにも大胆なアイデアなので、 私の保守的な頭はゆすられっぱなしでした。 あまりにも刺激的な発想で、 考え込んでしまいました。 レジメの最後に Sさんが、まとめを書いておられます。 「こころ」についての思いです。 とても心に染みました。 Sさん、 長時間にわたってのご講義、そして それまでの準備の時間、 ごくろうさまでした。 ありがとうございます。 ![]()
by jyukushian
| 2014-04-28 21:52
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