お電話をいただきまして。

夕方、九十歳近い年配の女性からお電話をいただきました。
武田寛弘先生の『歎異抄講義録』についての感想でした。
この本の最後に書いたジョンレノンの「オーマイラブ」の訳詞についてでした。
「ジョンレノンというのは誰なの？」
「ビートルズのメンバーで、銃弾に倒れて亡くなった方です」
「まあ、かわいそう。だけど仏教の教えそのままの歌詞ね」
「そうですか。ありがとうございます。ジョンレノンの訳詞について
感想を言って下さったかたは、あなたが始めてです。とてもうれしい」
「この本、毎日、少しづつ読み進めてますよ、とてもいいですね。」
「ありがとうございます。」


オーマイラブ

こんなに人をいとおしく思ったことは　かつてなかった
私の心の眼は限りなく開かれる
こんなに私自身をいとおしく思ったことは　かつてなかった
まるで物事の本質が見えるよう

ああ、風が見える
ああ、木々が見える
すべてがこんなに輝いていたなんて　気づきもしなかった
ああ、本当の空が見える
世界中のすべてがこんなに輝いていたなんて　思いもしなかった

こんなに人をいとおしく思ったことは　かつてなかった
私の心はあなたの心に溶け込んでいく
こんなに私自身をいとおしく思ったことは　かつてなかった
私の心は感じるすべて

私には深い悲しみを感じることのできる心がある
遠く夢見ることのできる心がある
心のはたらきがこんなに輝いていたなんて　気づきもしなかった
命を感じる
いとおしさを感じる
すべての人の中で　世界は輝いている