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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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先日、数年ぶりに知り合いの外科医のお医者さんと居酒屋で遭遇しました。
「武田さん、今、医療の世界は大変なんですよ」 「どうしたんですか?」 「実はですね、2020年、つまり東京オリンピックの年になったら、つまり、6年後には 日本から外科のお医者さんがいなくなってしまうのですよ」 「それはまたどうしてですか?」 「産科のお医者さんや小児科のお医者さんは、もともと人数が少なくて、 マスコミなんかでも問題になっていますが、実は今、外科のお医者さんも激減していて それが一番の問題なんです。もともと外科のお医者さんは人数が多かったのですが、 それが激減しているのです。研修医のデータによると2020年には外科医はゼロになるんです。 ですから、武田さんが6年後手術をしなければならなくなったら、韓国に行くか中国にいって手術をしてもらうか、もしくは日本で希望するなら、一年待ちとかになってしまうのです」 「なんでそんなことになってしまうのですか、なんで外科医になる人がいなくなるのですか?」 「お医者さんはまず大学の医学部を出て、そのあとスーパーローテーションのシステムに入ります。昔のインターンの時期にあたります。そのローテーションで、それぞれの科、眼科や皮膚科や外科や小児科などの現場に行って数カ月研修をするわけです。これは本来の目的は、総合診療医的な目を養ってそれから専門医になるということを目指したものです。 ところが、現実はそのローテーションで研修医は、外科医がいかに割が悪いかを学んでくるのです。 外科医は割がわるいのです。 いつでも呼び出されるので、24時間態勢でいなくてはならないし、 夜遅くに呼び出されて酔っ払っていながら手術もしなければいけない、 そして一生懸命命を救うための努力をしても 治療が及ばず亡くなることもある。 そうすると、以前は患者の家族はあきらめて、 一生懸命やってくれたお医者さんにお礼を言って帰って行くのだったけれど 今では、病院の外に弁護士が待っていてですね、武田さん 泣き寝入りすることないですよ、いろんな方法で訴えることもできるんですよと 遺族にけしかけているんです。 外科医はちょっとでも失敗するとすぐに訴えられるんですよ」 「あなたも訴えられているんですか」 「しょっちゅうです。今も1件訴訟されているんです。 なんで一生懸命命を救おうとしていながら、 悪者扱いされて訴えられなければいけないんですか、えっ、武田さん!!おかしいでしょ」 「確かに、それは理不尽ですよね。 「ですから、こんな割に合わない外科医なんて、医者を目指そうとする若者は当然のごとく 避けたがるんですよね」 「なるほど。よくわかりました。そんな状況なら私だって、外科医になんかなりたくないですね」 つづく ![]()
by jyukushian
| 2014-06-20 00:45
| WEB版 熟柿庵だより
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