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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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昨年暮れ、恒例の「無住住忌」の法要が行われました。
これは、いつも大体クリスマスのころに行われる法要で、 私の先生の武田寛弘先生のそのまた先生の 星野清蔵先生の法要で、 もう半世紀以上行われております。 その法要にお話をさせていただく機会を与えて下さいました。 タイトルは 「井の中の蛙、大海を知らず」です。 これは 中国の荘周という古代の哲学者が書いた「荘子」という本に書かれているフレーズです。 荘周は老子とならぶ、道教の思想家で、 それまでの孔子によって提唱された儒教に抗して打ち立てられた哲学だと言われています。 「荘子」には無為自然の哲学が謳われていて、 中国思想史家の森樹三郎氏によると インドのゼロの思想や無あるいは空といった概念を基とする仏教が インドから中国に受け入れられたのは、こうした老荘思想があったからだとのこと。 いわばスポンジの役割を果たした。 「荘子」にはたとえば 「鍵穴から空を覗く」といったフレーズもあります。 「なんだ、空って10円玉のように小さいんだな、と世界を勘違いしてみてしまう」といった意味でしょうか・ あるいは 「夏の虫、氷を知らず」 「夏に生まれ、夏に暮らし、夏に死んでいく蝉のような虫は、冬にできる氷というものを知らない。 せいぜい50年や100年しか生きられない人間に、 何万年も続いてきた命というものの本質など分かるわけがない」といった意味でしょうか。 そうした中に 「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があります。 これは、一生を井戸の中で暮らすカエルは、 その井戸の外に大きな海が広がっているということを知らない、ということです。 カエルというのは人間を例えたもので、 人間は、さまざまな制約の中で生きていて、 本当はもっと広い世界があるということを知らない ということです。 つまりは、教訓的に理解すれば 小さな世界に閉じこもってないで、世の中のことをもっと知りなさいという ことを言おうとしたものだと思います。 しかし もう少し、大乗仏教的に別の解釈をすると 大海というのを真実の世界、あるいは 本願海とも解釈すれば 人間というものは、 いくら頑張ったところで 真実の世界を知ることはできない。 だけど、真実の世界によって生かされているのだ という意味に受け取ることもできます。 この辺のところから 仏教の話へと移っていくことにしました つづく
by jyukushian
| 2015-01-17 09:44
| WEB版 熟柿庵だより
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