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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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知り合いだった女性が
生前、 「最後の晩餐は武田さんは何がいい? 私はやっぱりさんまの塩焼きかなぁ、大根おろしが添えてあってね」 と語っていたのを思い出す。 彼女は最後にさんまをたべたのだろうか。 私が最後の時、どんなふうに死を迎えるだろうか 想定としては、事故死とか不意に息絶えるとかじゃなくて ある程度、最後の時まで少し時間があるという設定をかんがえているわけだけど。 たぶん、 枕元にCDラジカセを置いて 古今亭しん生さんの落語全集を 息絶えるまでずっと聴いていたい。 遠のく意識の中で、 枕元で、あの聴きなれたしん生さんの声を聞きならが 最後を迎えたい。 もう40年も聴きつづけてきたしん生さんの声は きっと私の耳にいちばん心地よい声に違いない。 あの「変わり目」とか、「芝浜」とか たとえば、しん生さんが一度脳梗塞になって 生死の境をさまよって、復帰したあとに高座に上がって話したこと 「一度、死にかけたんですが、あの世から おめぇ、もう一度しゃべって、お客さんのご機嫌うかがいをしてきたらどうなんだい。 てなことを言われて戻ってきました、私としたら、これでくたばっちまえば、 もう借金も返すこともないし、 やりたいこともやって思い残すこともないしと思っていたんですがね…」 というまくらの話が聞けたらいうことないんだけど。 僧侶だから最後はちゃんとお念仏を称えなきゃいけないんじゃないの?」 と言われそうだけど、そういう気力もなくなっているに違いないと思う。 お念仏を称えて、浄土へ行こうなんて思うのは それは、元気な気力がまだ残っているうちの話であって、 最後の最後になったら この世で、いちばん聴きなれている声、 聴き心地の良い声、 しん生さんの声を聞きならが途絶えていくのがいちばんいいように思う。 確かに私は念仏より、しん生さんの声のほうが 数多く聴いているような気がする。 そんなふうに 気ままに最後は迎えたい。 気ままな願望。 ![]()
by jyukushian
| 2015-08-02 22:41
| WEB版 熟柿庵だより
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