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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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今の時代の日常生活は大半がボタン一つで大概のことができます。 洗濯も、風呂焚きも、ご飯をたくのも、すべてボタンひとつです。 その生活にどっぷりつかっているのですが、 私が幼かったころ 電気は、傘のついた裸電球だけだった頃をしっています。 風呂は五右衛門ぶろで、2時間近くかけてたきました。 これは子供の仕事で、2時間ずっとたき口にいて、何をかんがえていたのでしょうか。 洗濯は、母が大きなタライでゴシゴシ洗っていたのを覚えています。 おかずは七輪で炊いたり煮たりしていました。 食事が終わると、おかずは、もちろん冷蔵庫なんかなく、 戸棚にしまって、何日も同じものを食べておりました。 夏のスイカなんかも、冷やすときはいつも井戸でした。 家の中には大きな釜戸があって、それで炊いていました。一時間以上かかっただろうと思います。 そして 数十年のうちに、あっという間に家電製品に囲まれて、便利この上ない生活を送っています。 すっかり変わってしまった生活様式。 私は家電製品が全くなかった生活をほんの数年体験しているのです。 家電製品のない生活、 いったいこの生活はいつごろから始まったのでしょうか。 思うに、このような生活は昭和の中頃だけのことだけではなく、 ずっとずっとそうだったのです。 大正時代も、明治時代も、江戸時代も、たぶん室町時代も 家電製品のない、生活でした。 私は、ずっと昔から続いていた、その生活様式を ほんの数年体験することができたのです。 家電製品の中で生まれ育ってきた人たちのことを思うと 私とその上の世代の方は、その両方を体験していることになります、 そういう意味で、私の生まれ育った時代は 歴史的激変の時代だったように思います。 平成以降の生まれの人たちは、 こんな話、聞いてもくれません。 激変の時代のなかで、人々はどのような思いで生き、 どのような人間になっていったか、 かれらは、想像もしてくれません。
by jyukushian
| 2024-04-01 19:57
| WEB版 熟柿庵だより
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