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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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もう8年も続いているでしょうか。
毎晩、寝る時には古今亭志ん生の落語のCDを聴いています。 録音でのこっている話は大半聞いております。 何度も聞いているので だいたい話の内容は覚えているのですが、 何度聞いても味があります。 聞けば聞くほど味が出てきます。 最近は話の落ちに辿りつく前に寝てしまいます。 これだけ何年も聞き続けていると、 志ん生の声を聞くだけで眠くなってきます。 志ん生の声は睡眠薬以上の効果があるようです。 また いろんな意味でとても参考になります。 たとえば、昔の職人さんは、だいたい午前中で仕事を終えたようです。 午後まで仕事をしていると、 「あいつは午後まで仕事をしないと食っていけない野郎だ、だらしないやろうだ」 というセリフが出てきます。 昔の職人さんは、 午後は銭湯にいってのんびりしたり、 1杯ひっかけてその後、吉原に遊びにいったり、 おにぎりを持って近くの川に釣りにいったりと 随分のんびりと一日を楽しんでいたようです。 今から思うと羨ましい限りです。 また、 現代では義務教育でみんな読み書きそろばんが出来るようになっていますが、 昔は職人さんは、文字すら読める必要がなかった。 だから 「大工のあの野郎は字が読めるんだってよ、ふてえ野郎だ、みんなで殴ってやろう」 などといった話まであります。 随分のんびりした話です。 また 枕で話される短い話の中には、 笑ってしまうけどよく考えれば残酷な話もあります。 金持ちの旦那が、二階に上って自分のお札を並べて勘定しながら、 こんなにもある、こんなにもあると言いながら後ろにさがっていって 二階から落っこちて死んじゃった、という話や、 ずぼらな親子が、 コタツに入っていてタバコの火が落ちてコタツの布団に燃え移って 親子で「お前消せ、嫌だよ、面倒くさい、お前消せ、」 などと言い合っているうちに火事になって、 親子そろって焼け死んじゃいまして、などといった話まである。 「ええ、人間てえものは、、、」で始まる志ん生の話は人間の生き様のおもしろさや、 そしてついには生きていることの哀愁まで感じさせてくれる。 今のところ、 志ん生の落語の中で、一番の傑作は 私にとっては「変わり目」という話です。 くるま屋と客のやり取りや、 夫婦の会話がなんとも言えず、笑いとペーソスを感じさせてくれます。 落語は人間勉強にはもってこいの教材であると思います。
by jyukushian
| 2008-01-15 00:18
| WEB版 熟柿庵だより
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