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著 書
武田智亨 プロフィール
1951年 滋賀県生まれ。
1970年 本願寺で得度を受ける。大学卒業後、教職を経て1980年 中近東、中東、中国などを1年半にわたり放浪。 現在、浄土真宗 東京・熟柿庵 庵主、彦根・西福寺 住職。 著書に『中国ひとり旅』(連合出版)、『熟柿庵だより』(東京図書出版会)。翻訳書にジェシー・マッキニー著『車椅子の上の心』、ティック・ナット・ハン著『理解のこころ』などがある。 ![]() 東京・熟柿庵ホームページ リンク 逢人舎 ![]() ブログランキングへ 登録しました。 ↑ぜひ、応援クリックを お願いします。 記事ランキング
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毎月の終わりに坊さんや幼稚園の先生たちが
集まって仏教の勉強会があります。 もう50年以上続いています。 私が参加し始めてからでも30年以上経っています。 参加者の何人かはすでに亡くなられています。 思えば伝統ある勉強会です。 今日がその日でした。 1年前までは私が発表者として 4年近く毎月、大乗起信論について発表してきました。 ここ1年はS寺のご住職が「唯識」について発表しています。 古代インド人のバスバンドゥというお坊さんの仏教学説です。 唯識というのは、簡単に言えば、 現実のこの世は実は夢、幻想であり、実際には存在していないのだ という説です。 目の前にあるこのパソコンも、キーボードを打っているこの私も あなたも、すべて夢であって現実には存在しないのだというのです。 これはでたらめな教えではなく、 いまでも仏教の大切な哲学のひとつなのです。 考えてみればとんでもない哲学です。 唯識に対する反対論者がテキストのなかで いろいろ反論をしています。 寝ている時に見る夢のなかで ものを食べても、少しもお腹はふくらまないけど 現実の中でものを食べればお腹はふくらむじゃないか だからこの世は現実であって夢なんかではないと。 あるいは 寝ている時に見ている夢は 目が覚めたら現実に戻るけど この現実が夢だとしたら いったいいつ目覚めるのだと 質問します。 それに対して唯識は この現実が夢であったとわかるのは つまり この現実から目覚めるのは 本当に悟った時である と答えるのです。 このテキストは この世が夢であることをいろんな喩えで 本気で説明しようとします。 そういうテキストを1時間半かけて さっきまで勉強してきたわけです。 当然 後半になると訳がわからなくなって 頭がくらくらしてきます。 もう最後はやっぱりお酒を呑まないではいられません。 空中分解している思考回路を 現実に戻さなければ このまま帰るわけにはいきません というわけで 勉強会の後はいつも呑み会となります。 それにしても この酒はほんとに現実だろうか このほろ酔い気分の私は 現実に存在している私なのだろうか この哲学をある女性に話したところ 「とても救われる想いがします」という返事が 返ってきました とても印象的な返事でした。 ![]() 一日一回クリックを よろしくお願いします
by jyukushian
| 2008-03-01 00:07
| WEB版 熟柿庵だより
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