田舎で
月参りに伺って
そのお参りのあと、
1人暮らしの年配の女性と話をするのは
味があってとても楽しい。いろんなエピソードを聞かせてもらう。
その中の一つ「のら猫の自立」のお話
「うちの家の縁の下にのら猫をみつけたんですよ。
そしたら赤ん坊を5匹も生んでいて、
仕方ないので、餌をやったんです。
餌をやる たびに『大きくなったら出て行くんですよ』
っていつもいつも声をかけていたんです。
そしたらね、しばらくして本当に居なくなってしまったんです。
ちょっとぐらい挨拶していけばいいのにって思ったんですけど、
ほんとうにそれっきり姿を見せなくなった。
不思議ですね、ここに居ればちゃんと餌ももらえて
安全に生きていけるのに
わざわざ出て行くなんて。
どうして出て行ったんでしょうね。
ノラ猫っていうのは、他人に餌をもらいながら生きていくというのは
生きているということにならないのかもしれませんね。
ちゃんと自分の力で餌をとって生きていくのが、
彼らにとって生きるということなんでしょうかね。
なんか教えられたような気にもなりました。」
「そういえば、飼い犬でも自分の死期を悟ると
家から出ていくという話を聞いたことがあります。
象が自分の死に場所を群れから離れたところにもっているように」
「いつまでも甘えている人間の子供に教えたいような気になりますね」